今更聞けない!?「小島秀夫」ってどんな人?ステルスゲームを人気ジャンルに押し上げた天才の来歴を解説【2024年始特集】

いいセンスだ。

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ゲッティイメージズ/Future/Richard Ecclestone
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ぼんやりとゲームニュースを追いかけていると、一人の男が目につくでしょう。名だたるハリウッドの映画監督を侍らせ、ゲーム業界を何十年にも渡って牽引し続ける関西弁の映画マニア……一体、彼は!?そう、小島監督ことゲームデザイナーの小島秀夫さん(以下、敬称略)です。

ゲームと映画の境界を渡り歩き、多くの名作を生みだしつつ、何かを発表すれば必ず世界中が沸くというゲーム業界の超重要人物ですが、意外と通っていないという人も多いのでは?そこで今回は、小島秀夫がいかなる人物か、どういうことを成し遂げてきたのか、改めて掘り下げてみましょう。



小島秀夫生誕~コナミ入社と初代『メタルギア』制作まで

小島秀夫は1963年に東京都世田谷区で生まれ、3歳から関西に移住しました。映画好きの父親の影響から、幼い頃からミステリーやSFなどにのめり込み、一時は作家を志していたそうです。

時は経ち80年代。ファミリーコンピュータの大流行で『スーパーマリオブラザーズ』に傾倒し、ゲームに可能性を感じた小島は、86年にコナミに入社。MSXというPCの部署に配属され、ここでゲーム作りの第一歩を踏み出します。宮本茂や堀井雄二らと同様、彼もまた、テレビゲーム黎明期の80年代から現代まで一線で活躍し続けている数少ないクリエイターのひとりなんです。

さて、MSXでのゲーム制作ですが、ハード性能の問題でファミコンと違って多くのキャラクターを動かすことはできず、アクションゲームを作ろうにも限界がありました。しかしながら、そこは発想を逆転させ、敵から隠れるゲームを作ればいいじゃないかと思いつきます。

骨太なミリタリーSFの設定と、緊張感のあるステルスミッション、反戦反核という重大なテーマ……『メタルギア』が1987年に発売されます。同い年となるエンタメは、荒木飛呂彦の「ジョジョの奇妙な冒険」、「ビバリーヒルズ・コップ2」などです。時代を感じますね……!

コナミでの快進撃~初代プレステの名作『メタルギアソリッド』まで

翌年の1988年には『スナッチャー』というコマンド選択式のアドベンチャーゲームを発売します。当時、最も熱かった映画である「ブレードランナー」が下地になっており、彼の描くド直球のサイバーパンクが見られる数少ない作品ですね。

そしてさらに1989年。MSX2向けに待望のメタルギア完全続編である『メタルギア 2 ソリッドスネーク』が発売されます。見下ろしメタルギアはこの2作となっており、この独特の画面構成は『ぱいなっぽ』や『UnMetal』などといった直接のフォロワーも多く生み出しました。

時代は下り、90年代。1994年には『スナッチャー』の後継作に当たるアドベンチャーゲーム『ポリスノーツ』を発売。このあたりから小島は、自身の作品にHIDEO KOJIMAというクレジットを目立つように入れ、ゲームがクリエイターやデザイナーによって作られているという意識をプレイヤーに植え付けることをやり始めます。テレビゲームの黎明期から、自分のゲームのブランディングを考えていたクリエイターという意味でも、非常に稀有な人物ですね。

そしてまたしてもしばらく時間が過ぎ、1998年。プレイステーションというハードを活かした完全3Dのメタルギア……『メタルギアソリッド』(通称:MGS)が発売されます。ゲーム自体が立体的になったことや、カットシーンで映画的演出を盛り込めるようになったことで、ゲームファン以外にも小島秀夫という人間のクリエイティビティが認知されるようになっていきます。

MGSサーガの構築~盟友伊藤計劃との別れ

時代は21世紀となり、2001年にロボットアクションゲーム『ZONE OF THE ENDERS Z.O.E』と、『メタルギアソリッド2』をリリース。特に『メタルギアソリッド2』は、前作以上に読み応えのあるストーリーが用意されており、(筆者のような)文系ゲーマーの心を鷲掴みにしました。「受け継がれるべきミームとは何か?」という難しいテーマに切り込んだ、非常に読み解き甲斐のあるタイトルです。

2004年には『メタルギアソリッド3』、2008年には『メタルギアソリッド4』を発売し、小島監督=メタルギアという印象が盤石のものとなっていきます。「プレステの新ハードを買うならメタルギアも一緒に」といった空気が、ゲーマーのあいだで常識になっていたのを思い出しますね。

この頃にはもうBAFTAやEUROGAMER EXPOなどのイベントはもちろんのこと、大学などでの講演会にも呼ばれ、文化人としてのポジションを確実のものとしていました。映画とゲームの橋渡しをしている最重要人物として認知され、多くのメディアが彼の一挙手一投足を追いかけていくこととなります。

2010年、『メタルギアソリッド ピースウォーカー』を発売します。この作品が発売される直前に、小島と兼ねてより交流のあったSF作家の伊藤計劃が亡くなったことを受けて、本作は伊藤計劃への献辞が入っています。この後に出る『メタルギアソリッドV』2作と本作は、MGSを愛していた伊藤計劃に対する返歌とも取れるような内容となっているので、是非とも小説とゲームを交互に楽しんでみてほしいと思います。

最後のメタルギア『MGSV』~コナミからの独立と現在

2014年、『メタルギアソリッドV グラウンド・ゼロズ』が発売されます。『ピースウォーカー』の直接の続編となり、次作と併せてシリーズ最大のミッシングリンクを埋めると銘打たれた本作は、たった2時間余りのボリュームでありながら、ゲーマーたちに「次世代のゲームが来た!」という感動を確実に刻み込みました。大袈裟なくらい多用されるレンズフレア表現をよく覚えております。

同年、8月には、映画監督のギレルモ・デル・トロらとともに『サイレントヒル』シリーズのリブートを約束し、その体験版となる『P.T.』を発表。PS4で遊べる短編ホラーゲームということで多くのプレイヤーがダウンロードし、そのあまりの美しさと怖さと難解さから、伝説となりました。その後のゴタゴタで配信停止になったのも、伝説の形成に一役買っているのは間違いないでしょう。

また、これは筆者の考察に過ぎませんが、昨今、ストリーマーたちに実況してもらうのを見越してSteamなどで配信されている短編ホラーゲームが山ほどありますが、それらの影響元には『P.T.』があるのではと思っております。

(またまた、さらに個人的な話で申し訳ないのですが、筆者の友人である柴田勝家がハヤカワSFコンテストで大賞を取り、作家デビューしたのもこの年で、小島はその時の選考委員を務めていました。実は、新人賞の選考委員までやっていたのです……多芸ですね!)

2015年に『メタルギアソリッドV ザ・ファントム・ペイン』が発売され、これが小島監督の関わる最後のメタルギアとなりました。オープンワールドとステルスとイマーシブシムをこのレベルでミックスしたゲームはないのではというほど、多岐に渡る潜入方法が許される革新的なゲームであった一方、章立てのアンバランスさや、シナリオ展開が駆け足である点などから「制作に問題があったのでは?」とネット上で噂されることとなります。

同年の12月3日、PlayStation Awardsで小島が授賞式に雇用契約の問題で出席できず、ジェフ・キーリーがコナミを批判したことにより、いよいよネット上の議論に火が点き、紛糾してしまいます。

同年の12月15日に小島はコナミデジタルエンタテインメントを退社し、翌日に自分のゲーム制作会社である「コジマプロダクション」を設立。「メタルギア」というIPを古巣に残し、次なる一手は何かとゲーマーたちが待ち侘びていたところに『デス・ストランディング』が発表されます。

俳優のノーマン・リーダス(役名:サム・ブリッジス)が赤ちゃんと意識を繋ぎながら、滅びたアメリカを渡り歩いて配達をするという、凄まじい設定の完全新作を作り上げ、彼のバイオグラフィーにまたしても真新しいページが追加されることとなりました。2019年発売で、これが現在までの小島監督の最新作となります。

『デススト2』と『OD』発表……これからのコジマプロダクションはいかに?

コジマプロダクションは、2022年のThe Game Awardsで『デス・ストランディング2』を、今年のThe Game Awardsで『OD』という謎の新作を発表しております。

アメリカを繋いだサムは一体次に何を背負うのか?そもそも今回も配達ゲーなのか?前作にあった大量の設定は?と考えることが尽きない『デス・ストランディング』の続編と、俳優が絶叫するだけのトレイラーに、ホラー映画業界の異端児ジョーダン・ピールとのコラボレーションという、期待するほかない組み合わせにドキドキが止まらないOD……!相変わらずゲームの発表が上手すぎて溜息が漏れますね。

2023年には還暦を迎た小島監督ですが、まだまだそのクリエイティビティは衰えることを知らないようです! これからもその調子で、映画やゲームだけでなく、あらゆる境界を余裕で超えた、誰も見たことがないゲームを作りまくってください!

※UPDATE:本文中の誤字、生年の誤りを修正しました。コメント欄でのご指摘ありがとうございます。

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