【CPUって何?】ゲーミングPCの選び方をインテルの偉い人に聞いてみました

これからPCでゲームや映像編集などを始めたい方必見!CPUやGPUの基本紹介からスペックの見方まで、インテルの技術本部長にお話をききました!

ハード インタビュー
【CPUって何?】ゲーミングPCの選び方をインテルの偉い人に聞いてみました
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半導体を通じて、人々の仕事と生活をさらに豊かにする先進的な技術と製品を開発・提供し続けるインテル。昨今、『モンスターハンターライズ』(以下、モンハンライズ)や『ELDEN RING』などゲーマーの注目度が極めて高い大ヒット作がPCでもリリースされるようになり、インテルの名と存在感はゲーマーにとってより身近なものとなりました。

そんな同社とハードコアゲーマーのためのゲームメディア「Game*Spark」がタッグを組み、2022年6月10日に新たなオウンドメディア「RUGs」をオープンします。PCゲーマーであれば知っておきたいゲームの最新情報はもちろん、これからPCでゲームを始めようと思う人や、これまでのゲームメディアではカバーできなかったコミュニティやストリーマーの情報もお届けする予定です。既存のゲーマーだけではなく、広くゲームに触れている人たちがより楽しくなるようなメディアを運営していきます。

そのローンチを記念し、みなさんのPCにもきっと入ってるであろうインテルの製品がどのような役割をしているのか、そもそもゲーミングPCを選ぶ際に重要なこととは何なのか?初歩の初歩をインテル 第二技術本部 部長の安生健一朗氏にうかがいました。

インタビュイー

安生健一朗氏
インテル株式会社

第二技術本部 部長
工学博士

インテルの日本法人でPC関連の技術や製品の責任者をしている偉い人。PCメーカーとの連携や戦略策定にも携わっている。自身も『CS:GO』や『リーグ・オブ・レジェンド』の世界大会に感激し、eスポーツシーンや配信も楽しんでいるとのこと。最近では大人気シューター『VALORANT』の世界大会「VCT 2022 Stage 1 Masters」でのZETA DIVISIONの躍進に感動。先日、ゲーム内で星野源さんのライブが開催されるなど、ゲームとしてはもちろん流行り言葉ではない意味で“メタバース”を体現している『フォートナイト』の今後の進化にも注目しているという。

コロナ禍でゲーミングPCは盛り上がってきた!

――昨今のコロナ禍は、ビデオゲーム業界にも大きな影響を及ぼしましたが、PCのユーザー層に変化は見られましたか?

安生健一朗氏(以下、敬称略)変化は間違いなくありますね。コロナ禍による外出自粛や在宅ワークの影響で「PCでオンライン会議をしたい」という声がとても増えました。それだけではなく、PCでゲームや動画配信をしてみたいというような、新しいことにトライする方もすごく増えたと感じています。それが波及して、メーカーさんからもそうした方たちに向けて新たな施策を打ち出したいというご相談をいただくことも増えました。

――PCでゲームを……というと、やはりゲーミングPCの需要が増えたのでしょうか。

安生そうした方たちももちろんですが「ゲーミングPCを買うほどではないけど、まずは試しに(PCでゲームを)やってみたい」というカジュアルな方が増えてきている印象です。薄型・軽量のノートPCで『モンハンライズ』のキャンペーンを展開したら、あっという間にはけてしまったという事例も聞いています。

――配信や動画編集の需要も増えたとのことですが、ゲーム・ビジネス以外にクリエイティブでのニーズも高まっているのですね。

安生私たちも前々から「インテルのCPUを搭載したPCは動画編集にも向いています」というのをお伝えしてきましたが、それがみなさんの需要とついに一致するときが来たなと感じています。

PCを購入する際に注目すべきスペックは?

――ゲームプレイや配信目的でPCを購入するなら、やはりスペックが重要になるかと思います。これからPCで新たなチャレンジを始めるにあたり、知っておくべき知識を教えてください。

安生最初に見るべきなのはCPUとメモリです。CPUは人間でいうと脳にあたる部分で、すべての計算をここで行います。計算というのは、WordやPowerPointなどのソフトを起動する、ブラウザを起動するなど、ユーザーが命じる処理全般のことです。CPUが賢ければ賢いほど(性能が高いほど)処理が早くなり、それらにかかる時間が短くなります。

その次に重要視するといいのはグラフィックスですね。CPU、メモリ、グラフィックス。まずはこの3つだと覚えてください。

――基本的な質問になりますが、CPUはどのような基準で選ぶのがよいでしょうか。

安生インテルのCPUを搭載したPCにはCPUの性能を記した「インテル Core バッジ」が付いていますので、それを見てご判断いただければと思います。一般的に一番コストパフォーマンスがいいのは「Core i5」ですね。特に、これからPCを使い始める方にはお勧めのCPUです。

しかし、これはあくまで目先の話で、今後3年、4年と続けて使いたいという場合は、もう一歩上の性能のものを選んだ方がストレスなく長く使用できると思います。

――PCは日進月歩という言葉がぴったりで、性能は年々目覚ましい進歩を遂げていますが、なぜこのようなことになっているのでしょうか。

安生インテルが新しいCPUを作ると、各メーカーさんがその性能を十全に生かしたソフトウェアを開発します。そうやって進化したソフトウェアにしっかり対応するには、こちらもより高性能なCPUをお届けする必要がある……この繰り返しが続いているからですね。

インテルはほぼ毎年CPUを刷新しており、今は第12世代が出回り始めたところですが、これの性能を使い切るソフトウェアはすでにたくさん出ています。

最新のコアバッジにはCPUの世代が書かれていないのですが、その場合はPCの基本仕様に必ず記載されるCPU番号をご確認ください。たとえば「Core i7-12700K」と記載されていれば「第12世代のCore i7」ということになります。

――世代をひとつまたぐと、性能はどのくらい変わるものなのでしょうか。

安生ざっくりした体感では、CPUが1世代変わると処理速度が10%~20%程度向上すると考えています。

――先ほど例に挙げていただいたCPU番号(Core i7-12700K)は、末尾にアルファベットが記載されています。これにはどのような意味があるのでしょうか。

安生まずはノートPC用のものからご紹介します。「U」は薄型・軽量のノートPC用のもので、バッテリー駆動時間を重視したCPUです。「P」は第12世代から採用されているハイパフォーマンス版で、「H」や「HX」はノートPCの中で最高峰のCPUです。

デスクトップ用のCPUはアルファベットが付かないものもありますが、「K」はオーバークロック対応、「F」は内蔵グラフィックス(GPU)が搭載されていないので、外付けのGPUが必要です。

描画速度を大きく左右するGPU

――先ほどのお話の「まず重視すべきはCPU、メモリ、グラフィックス」とも絡めて、内蔵グラフィックスとは何なのかを教えてください。

安生CPUは計算を得意としますが、表示(描画)は得意ではありません。計算結果を表示するために必要なプロセッサーをGPUといいます。インテルのCPUにはGPUも搭載されており、第11世代のCore i5以上で一定のメモリー要件(128bit、8GB以上)を満たしたPCでサポートされる「インテルIris Xeグラフィックス」は第10世代以前を大きく上回る性能を持ちます。

しかし、プロゲーマーと同じような環境でゲームを楽しみたい、アニメーションや3Dグラフィックスなどの本格的なコンテンツを制作したい……などという専門的な用途の場合は性能不足になる可能性もありますので、そういうときはより一層高性能なGPUも導入していただければと思います。

――たとえば「ゲームも配信もやってみたいので、Core i5が搭載されたノートPCを買おう」と思ったときに、外付けのGPUは必要になりますか?

安生どのようなゲームをどのくらいの設定でプレイしたいかにもよりますが、もし配信もしたいとなると、おそらくノートPC向けのCPU番号の末尾にUやPのついたCPUのCore i5では期待されている性能は発揮できない可能性が高いです。その場合は、ノートPCであればCPU番号の末尾に「H」が付くCPUを選んだり、もしくはより高性能なデスクトップも選択肢に入るかと思います。また、外付けのGPUがあったほうが、より画質の高い設定でゲームプレイが可能ですので、見栄えがしますし、配信には向いているかもしれません。

――今PCを買うとしたら、デスクトップとノートPCのどちらがよいでしょうか?

安生デスクトップで妥協しない環境を求めるのもいいですが、ノートPCの第12世代CPUも非常に高いパフォーマンスとなっておりますのでこちらもおすすめです。具体的には、高画質でゲームをしたい方はHシリーズに外付けGPUが搭載されたノートPC、ゲームは低画質でもよくて仕事など多様な用途を考えている場合には、PやUシリーズのインテルIris Xeグラフィックス対応PCがお勧めです。

今、アメリカや中国市場では「PCでゲームをする」=「ノートPCでゲームをする」といえるくらいにノートPCが大人気となっているのですが、日本市場にも同様のニーズはあるだろうと見込んでいます。

――海外のプロゲーミングチームは長距離遠征も多いので、デスクトップではなくノートPCを使っていると耳にしたことがあります。インテルとしては「インテル Iris Xe」のように、グラフィックスを内蔵GPUでカバーしていく方針なのでしょうか。

安生インテルでは外付けGPU「インテル Arc」を発表しておりまして、今年から搭載製品を市場に投入いたします。まずはノートPC向けの製品から出荷開始いたします。

ノートPCという限られた筐体の中でユーザーのみなさんが求める性能をより効率的に実現するには、インテルのCPU、内蔵GPU、外付けGPUをうまく連動させる必要があるというコンセプトで制作されたGPUです。今は「Arc 3」シリーズのみですが、今度「Arc 5」、「Arc 7」も逐次投入していきます。

今後、デスクトップ向けにも新たな観点からの価値を創出し、既存モデルより付加価値があるものをお届けしていきたいと思っています。

――国内のゲーム配信者の動画を見ていても、やはりPCユーザーが多いと感じます。やはり性能が良いからなのでしょうか?

安生プロのスポーツ選手は道具にも常に気を使いますよね。最高のパフォーマンスは、最高の道具によって発揮されます。そして、ゲームでそれができるのはコンソールゲーム機より、毎年のように性能が上がっていくPCだからなのだと思います。もちろん、コンソールにも「その代わり、PCより価格が安い」というメリットがあるので、それぞれに良さはありますが。

また、昔のゲーミングノートはゴツくて厚みのあるモデルが多く見られましたが、今はスペックの高さを担保しながらも薄型・軽量であることが普通になっており、手に取りやすくなっています。

加えて、より幅広い層の方に満足していただくには、「それなりの価格でそれなりのスペック」のラインナップも必要になりますが、各メーカーさんの努力でこちらも充実しています。ゲームや配信用途にも使える汎用のノートPC(ゲーミングPCではないPC)が普及するタイミングがようやく来たなと感じているところです。

インテル Blue Communityでユーザーへ一層の歩み寄りを図る

――3Dグラフィックスなどを本格的に制作するなら高性能なGPUが必要になるというお話も出ましたが、インテルでは2022年からクリエイターや学生の創作活動をサポートする「インテル Blue Community」が始まりました。これにはどのような狙いがあるのでしょうか。

安生インテルには、ビデオゲームメーカーであればゲームクリエイター、コンテンツ制作会社であればツールの開発者など、日頃から大勢の方をサポートさせていただき、インテルのCPUをどのように活用すればよいか、最適化の支援を行うエンジニアが世界中にたくさんいます。

そのように、メーカーやクリエイターの方々の声や要望を聞く一方で、ユーザーのみなさんと直接対話することはほとんどありませんでした。しかし、私たちの製品が搭載された新たなPCには、ユーザーのみなさんの希望がきちんと反映されていなければなりません。

Blue Community」は、トップユーザーやクリエイターのみなさんの要望に適した提案をさせていただきつつ、インテル自身の未来のためにそのお声を拾わせていただくプロジェクトです。

まず、最新の製品テクノロジーをお使いいただき、それでも性能が足りない、困ることがあれば、是非それを教えていただき、将来の製品の改善に向けてフィードバックさせていただきたいと思います。それだけではなく、「Blue Community」に集うクリエイターから日本のトップコンテンツが生まれるまでの流れを学生さんに見ていただき、トライする機会を提供する……そうした狙いがあります。

インテルはあくまで舞台裏でみなさんを支える存在ですので、インテルのCPUを使ってくださいといいたいわけではありません。やりたいことをかなえるためのソフトがあり、それを支えているのがインテルだということを心の隅に留めていただけたら幸いです。

――それでは最後に、PCの購入を考えている未来のユーザーに向けてメッセージをお願いします。

安生PCでできるのはゲームばかりではありません。他の趣味や日々のお仕事にも活用できる万能なデバイスです。「自分に合った機種はどれなのか、選ぶのが難しい」というお声をよく頂戴しますが、ご自身の新たなチャレンジを助ける相棒選びだと思って、テンションが上がるものを選んでいただければと思います。そういう意味では洋服などを選ぶのと似ている面もあるかもしれません。

PCでは、先ほどもお話した『モンハンライズ』や、今世界中で大ヒットしている『ELDEN RING』のような人気タイトルも楽しめます。こうしたゲームと連動したキャンペーンも大変ご好評をいただきましたので、これからも続けていきたいと思います。

《蚩尤》
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汎用性あるザク系ライター(が目標) 蚩尤

1979年生まれのファミコン直撃世代。スマホゲームもインディーズも大型タイトルも遊びますが、自分と組ませてしまって申し訳ないという気持ちやエイミングのドヘタさなどからチーム制のPvPやFPS、バトロワが不得手です。寄る年波…! ゲームの紹介記事に企画記事・ビジネス寄りの記事のほか、アニメなど他業種の記事もやれそうだと判断した案件はなんでも請けています。任天堂『ガールズモード』シリーズの新作待機勢。

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